便利なサービスが増え、私たちの生活はずいぶん効率的になりました。
知りたいことはスマートフォンですぐに調べられ、買い物は自宅にいながら済ませられる。人との出会いも、条件を入力すれば、たくさんの候補から相手を探せる時代です。
できるだけ無駄を省き、短い時間で目的を達成する。
それは、忙しい現代を生きる私たちにとって、とても大切なことだと思います。
でも、人と人との関係づくりにおいても、効率のよさが常に正解なのでしょうか。
私たちORIMEは、恋活プログラムを設計するうえで、少し変わった3つのことを大切にしています。
それが、「無駄」「非効率」「間」です。
一見すると、サービスが避けるべきもののように思えるかもしれません。
けれど、私たちはこの3つにこそ、人柄が見えてくる瞬間が隠されていると考えています。
1. 「無駄」な時間にこそ、人柄が表れる
例えば、ORIMEのプログラムには、グループでゲームやワークに取り組む時間があります。
ゲームに使うカードや道具を、あらかじめ事務局がすべて準備しておけば、参加者はすぐに本番を始められます。
その方がスムーズですし、限られた時間を有効に使えるでしょう。
でも、ORIMEでは、あえて参加者自身に準備をお願いすることがあります。
実際に行ったプログラムでは、ゲームで使用するカードを、グループのメンバーで手書きするところから始めてもらいました。
ゲームを楽しむことだけが目的なら、わざわざカードを作る必要はありません。
いわば、本番前の「無駄な作業」です。
けれど、その時間を見ていると、さまざまな人柄が浮かび上がってきます。
率先して作業を進める人。
誰かが困っていることに気づいて、自然に手を貸す人。
みんなが参加できるように声をかける人。
黙々と丁寧に、自分の役割を果たす人。
もちろん、どの行動が正解というわけではありません。
リーダーシップを発揮する人にも、縁の下で支える人にも、それぞれの魅力があります。
大切なのは、特別な見せ場ではない、何気ない時間にも人柄が表れるということです。
恋人と過ごす毎日は、特別な時間ばかりではない
少し、恋人との日常を想像してみてください。
旅行や記念日のデートは、もちろん楽しいものです。
でも、二人で過ごす時間の大部分は、もっとありふれたものではないでしょうか。
一緒に買い物をする。
食事の準備をする。
予定どおりにいかないことに、二人で対処する。
何をするでもなく、同じ空間で過ごす。
そんな、一見すると何でもない時間の積み重ねが、二人の関係をつくっていくのだと思います。
だからこそ、ORIMEでは、プログラムの中にあえて小さな「無駄」を残しています。
何をするかだけではなく、その時間を誰と、どんなふうに過ごすか。
そこにも、相性を知るヒントがあると考えているからです。
2. 「非効率」だからこそ、見えてくるものがある
ORIMEでは、参加者のプロフィールを最初からすべて公開しているわけではありません。
4日間のプログラムの進行に合わせて、少しずつ情報を公開する仕組みにしています。
もちろん、最初から年齢や職業、趣味などをまとめて公開した方が、相手を知るという意味では効率的かもしれません。
事前にプロフィールを見比べて、気になる人を絞り込むこともできるでしょう。
でも、ORIMEはあえてそうしていません。
情報があることで、見えなくなるものもある
例えば、初めて会う人の職業を事前に知っていたら、どうでしょうか。
「きっと真面目な人なんだろうな」
「忙しそうだから、なかなか会えないかもしれない」
「自分とは生活スタイルが合わなさそう」
そんなイメージが、知らず知らずのうちに生まれることもあると思います。
もちろん、職業や年齢などの情報も、相手を知るための大切な要素です。
ただ、その情報が先にあることで、目の前にいる人を、無意識に何らかの枠にはめて見てしまうこともあります。
そして、一度ついた印象が、相手をもっと知ろうとする気持ちに影響することもあるでしょう。
ORIMEでは、まず目の前にいる人と交流し、その後で少しずつプロフィールを知ってもらうことを大切にしています。
「あの人、そんな仕事をしていたんだ!」
「意外と共通点があるんだな」
そんな発見が、相手への関心をさらに深めるきっかけになるかもしれません。
知らないからこそ、知ろうとする
現代は、あらゆる情報を簡単に手に入れられる時代です。
相手のことも、プロフィールを読めばある程度分かったような気持ちになれるかもしれません。
でも、プロフィールに書かれた情報を知ることと、その人自身を理解することは、必ずしも同じではありません。
何が好きなのか。
どんなときに笑うのか。
周りの人にどう接するのか。
思いどおりにいかないとき、どう振る舞うのか。
そうしたことは、実際に交流してみなければ分からない部分もあります。
最初からすべてを知るのではなく、時間をかけて少しずつ知っていく。
それは、一見すると非効率です。
けれど、その過程にこそ、出会いの面白さがあるのではないでしょうか。
3. 何もしていないように見える「間」を大切にする
3つ目は、「間」です。
ORIMEが大切にしている「間」には、2つの意味があります。
一つは、プログラムの最中に生まれる「間」。
もう一つは、プログラムとプログラムの間、つまり会っていない時間です。
予定された交流だけが、交流ではない
ORIMEでは、ゲームやグループワークなど、さまざまなプログラムを用意しています。
でも、実はそれらと同じくらい、受付から開始までの時間や、休憩時間も大切にしています。
例えば、プログラムが始まる前。
近くにいる人に話しかけてみる。
一人でいる人に声をかける。
前回話した相手に、続きを聞いてみる。
そうした行動は、事務局が細かく指示しなくても生まれるものです。
そして、その自然な振る舞いに、その人らしさが表れることもあります。
一方で、初対面の人ばかりの空間では、何を話せばいいのか戸惑うこともあるでしょう。
そこでORIMEでは、休憩時間に会話のきっかけとなるテーマをスクリーンに投影するなど、交流しやすい環境づくりも行っています。
話すことを強制するのではなく、話したいと思ったときに、自然と会話を始められるように。
事務局がすべてを進行するのではなく、参加者自身が関係をつくっていく余白を残す。
それが、ORIMEの考える「間」の一つです。
会っていない時間にも、気持ちは動いている
もう一つの「間」は、会っていない時間です。
例えば、誰かと楽しい時間を過ごした帰り道。
「あの人の話、面白かったな」
「そういえば、あのとき優しかったな」
「次に会ったら、あの話の続きを聞いてみたいな」
そんなふうに、ふと相手のことを思い出した経験はありませんか。
会っているときには気づかなかった気持ちが、少し時間を置いてから見えてくることもあります。
ORIMEのプログラムは、4日間にわたって行われます。
そのため、参加者同士が顔を合わせる時間だけでなく、次に会うまでの時間も生まれます。
私たちは、この時間も出会いの大切な一部だと考えています。
ORIMEでは、参加者専用のポータルサイトを用意しています。
そこでは、プログラムの進行に合わせて公開される他の参加者のプロフィールなどを閲覧できます。
会っていない時間に、相手のことを思い出す。
新しく公開された情報を見て、意外な一面を知る。
次に会うときに何を話そうか、少し考えてみる。
そんな時間も、相手への理解を深めるきっかけになるかもしれません。
人との関係は、会っている時間だけで育つものではない。
私たちは、そう考えています。
4. すべてを用意しないことも、サービスの設計
ここまで紹介してきた「無駄」「非効率」「間」。
実は、これらには共通する考え方があります。
それは、参加者の主体性を大切にすることです。
事務局がすべてを準備し、すべての行動を指示し、すべての会話をサポートする。
そうすれば、プログラムはもっとスムーズに進むかもしれません。
でも、それでは参加者が自分で考え、行動する機会が少なくなってしまいます。
恋愛は、誰かが手順を教えてくれるものではありません。
自分から話しかけてみる。
相手のことをもっと知ろうとする。
ときには勇気を出して、一歩踏み出してみる。
そうした一つひとつの行動が、二人の関係をつくっていくのだと思います。
ORIMEでは、参加者が安心して交流できるための環境やルールは、事務局がしっかりと整えます。
そのうえで、参加者自身が考え、動き、関係を育んでいく余地を大切にしたい。
サポートすべきところはサポートし、あえて手を出さないところは手を出さない。
そのバランスもまた、ORIMEのプログラムづくりにおける重要な考え方です。
まとめ|「効率のよさ」だけでは測れない出会いの価値
恋活において、効率は決して悪いものではありません。
限られた時間の中で、自分に合う相手と出会うために、効率的な方法を選ぶことも大切です。
ただ、人と人との関係には、効率だけでは測れない価値もあると私たちは考えています。
何気ない作業の中で見えてくる優しさ。
相手を少しずつ知っていく楽しさ。
会っていない時間に、ふと誰かを思い出す気持ち。
そんな瞬間は、効率を追求するだけでは生まれにくいものかもしれません。
ORIMEが大切にしている「無駄」「非効率」「間」。
それは、単に時間をかけることを目的としたものではありません。
その時間の中にある、人柄や関係の変化を大切にしたい。
私たちは、そんな想いでプログラムをつくっています。

